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テーマ「司法書士」

「専門家として、+αの価値を創出する」

ENTRY

常務取締役 COO兼CFO

伊藤 英信

司法書士

阿形 太樹

「伝統的な業務」だけでは
生き残れない

弊グループでは支店をもっており、各地域の司法書士業界の状態を観察してきましたが、首都圏以外の地域は、全般的に業況厳しいなという印象を持っています。首都圏は元々案件が多いことや、また、非常に複雑な案件もあって、これら業務に見合う対価になってきているのですが、各地域の現状を見ますと生き残りは一段と厳しさを増すのではないか、と感じています。今後の司法書士業界についてはどう思いますか?
そうですね、手続き業務を主にやっている事務所はきついと聞いており、手続き業務以外で活路を見出すしかないと思っております。お客様が司法書士に対して期待することは、登記手続きのみという場合もありますが、私が担当していますお客様は手続きだけでなく、自分たちが知らないこと、新たな付加価値を提供してくれるような司法書士を求めており、そこにお客様の強いニーズがあるように感じております。
なるほど。一方で、お客様側からは、司法書士に対して「手続き業務だけをきっちりやってくれればいいから」と思っている人も多いのかなと感じることがありますね。お客様が求めることと司法書士が本来できること、ここに認識のずれは既に生じていて、私としては、司法書士の知見の広さ・深さを考えると、非常に歯がゆく感じることが多いですね。
確かにそこはあるかもしれません。今後、人工知能の発達が進み本格的に法務分野に進んできますと、司法書士業務の一部は機械に置き換わる流れになることは必至です。司法書士に対して、単に手続きだけを求めるお客様は、素早く正確にやってくれる新たなサービスがあれば、そちらを選択することでしょう。
標準化できる出来る手続き業務は次々と機械に置き換わっていってしまう可能性は高いでしょうね。これまでもこれからも「伝統的な業務」のみで食べていく、かつ、従来同様に、労働集約型で勝負し続けていくことは、近い将来厳しい局面を迎えることになると感じています。
私もそう感じております。 司法書士として専門知識は持っていますが、その専門知識をいかにお客様が求める価値にまで高められるかが、司法書士にとって非常に重要だと私は思っています。
自分たちが持っている法務を核にした知見を、外に外に、特にお客様に対して解放していくこと。お客様の課題をコンサルティティングし、具体的なソリューションをいかに提供できるかが重要になってくるでしょう。そうしますと、将来的に、法務のプロフェショナルコンサルタントとして活動し、資格として司法書士をもっているという佇まいもありそうですね。
確かにその佇まいはしっくりきます。ただ、国家資格としての司法書士は信頼の証明と思っております。「司法書士がこう言ったから」というお客様側の安心感は、一つの価値だと思っています。私達はこうした安心感を損なうことないよう、専門家としての能力を日々高めていかなければならないと自覚しています。

「+α」の価値を
いかに生み出すか

他の司法書士との差別化は生き残る上でのポイントになります。阿形さんは大企業を一度経験してこの業界に入ってきおり、その意味では、前の会社の業界の知識もあって、それは差別化の一つではないですか? 初めて司法書士になった人はどう差別化していくのがいいと思いますか。
差別化は、私も意識していることです。初めて社会に出るタイミングが司法書士からということでしたら、少し悩む時間はあるかもしれません。強烈な営業力とか、周辺業界の知識を組み合わせて提案できるとか、周りとは異なることをやってみようという考えから始めることが第一だと思います。
厳しいとは、お客様から必要とされないということですか?
いえ、手続き業務の引き続きありますし、お客様から必要とはされると思います。しかしながら、手続き業務だけに従事しておりますと単純作業に見做されかねず、または、ITの発展によっては代替されかねず、業務に対する価値は下落圧力が生じる可能性が高いのではないでしょうか。
業界としては、正に今、勝負の分岐点にあると感じています。手続きだけ従事していたらダメな時代、お客様に認められない時代というのでしょうか。自分なりの価値、+αの価値を生み出す、差別化をしていくことが必要ということでしょう。
そう思います。
あとは専門家として勉強し続けるということは、とても大事だと思っています。
阿形さんは日頃からどういう勉強をしていますか?例えば、金融業界だったら毎日日経新聞を読むことは当然のこととし、財務、法務、税務等の講座や試験を受けたり、とにかく金融に絡むジェネラルな知識習得に努めていましたよね。
私が司法書士として心掛けていることは、特定分野で突出した知識を身に着けることです。会社法とか商業登記法とかに関して、突き抜けた知識を身につけようと日頃から意識して行動しております。業務では深いところまで徹底的に調べあげることや、専門書を読む時間を作り出す努力もしております。
また、それに加えて、専門外ではありますけど、会計税務とかも共通言語としてお客様と話せるように、これまた、勉強の日々です。
司法書士試験に合格することはスタートであって、特定領域での深さを追求したり、隣の士業の方々について調べたりして、自分の価値を高める必要があるわけですね。
お客様の潜在的な問題を汲み取り、解決すること。お客様の期待を上回るサービスや対話ができることが大事だと思っております。資格を取れば安泰ということは、今はまったくないと痛感しております。

PROFILE

常務取締役 COO兼CFO

伊藤 英信 HIDENOBU ITO

2016年入社。国内メガバンク、米系投資銀行勤務を経て、東雲グループに参画。士業という枠組みを超えた代表星野の取組みに共感し、東雲グループの拡大に情熱を注ぐ。金融機関ではマーケット部門・投資銀行部門のフロント、企画業務の両面に携わり金融商品開発や組織立上げ・マネージメントの実績多数。

司法書士

阿形 太樹 TAIKI AGATA

2014年4月入社 静岡県浜松市出身。
国内大手生命保険会社で国際営業部門、審査部門に従事し、星野合同事務所に入所。大学では海外に単身ボランティアやバックパッカーとして見聞を広げる。一度金融業界に入ったものの、法律への思いを捨てきれず勉強し直し司法書士に転身。

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